平成26年6月 聖語

平成26年6月聖語

知識の広さと智慧の深さ

『井の中の蛙大海を知らず』とは、よく知られた言葉ですが『されど空の深さを知る』などと続けて言う場合もあることは、あまり知られていません。

知識は広さを求めるものですが、広くなればなるほど、深い智慧を持たなければなりません。知識に振り回されてしまうからです。

インターネットによって、とてつもなく広い知識を手に入れることができる現代社会は、より『空の深さを知る智慧』が必要なのです。

日蓮聖人ご遺文『開目抄』

この御遺文は、日蓮聖人の著作中で最長編にして重要な書の一つです。

しかし、書き起こしは信仰の部分からではなく、人の歩むべき道としての一般教養からはじまります。

それは聖人が、広大な知識と深遠なる智慧を求め続けられたからなのです。

そして得られた真理と、それを行う『人』について示され、信念を述べられた『かたみ」とされた書です。

文永9年(1272)51歳

日蓮宗 松戸 本覚寺