その法 何ぞ廃れたるや
常識と油断
常識は安定を生み出しますが、同時に社会や経済によって変化するものです。油断すると常識に振り回されてしまいます。 だから、常識に流され続けるのではなく、たまには立ち止まって見つめなおしてみなければなりません。 落ち着いて常識を眺めてみると揺らぐことのない存在もまたあることに気が付きます。揺るがないものこそが『安穏な社会』への道標です。油断せずこの道を歩みたいものです。
日蓮聖人御遺文 『立正安国論』
日蓮聖人が生きておられた鎌倉時代は、大きな自然災害が重なり、幕府もいろいろな政策を打ち出しますが好転しませんでした。なおかつ蒙古襲来の危機が迫っていました。 そんなとき聖人は、社会全体が幸せにならない限り、個々の幸福はないと考えられ、その方策をこの書に示され、幕府へ申し立てられたのです。 その後の聖人の苦難に満ちたご生涯を決定づけた重要な書です。
文応元年(1260) 39歳