100年の時を越えて

はじめに

本覚寺には昔からの様々な資料が大切に保管されています。しかし、当時資料を保管した方は既に他界しており、その資料がどんなものなのか今となっては解らないというのが正直なところです。資料に残されたメモを頼りに、これまでもこのホームページにて古い資料をいくつか取り上げてきました。

資料を大切にしているというのは自身が住職をしている海徳寺も同じです。昔の写真や資料が出てくることもあります。2年前のことですが、海徳寺本堂脇のタンスを整理していると、以下の御首題帳が見つかりました。

大正2年 御首題 五月

名前などが書いていないので誰の御首題帳かは不明ですが、きっと海徳寺を創設した伊藤ちせ法尼のものであると思われます。大正2年5月から昭和8年頃までに、全国各地の日蓮宗寺院の御首題がびっしりと書かれています。今と異なり車がない時代です。どこのお寺にも自身の足で歩いて参拝していたことを考えると、伊藤ちせ法尼の思いが込められた大切な寺宝です。大正、昭和、平成、令和と時代を越えて、この御首題帳を拝受したお寺をお参りしていと考えていました。そこで、9月2日に七面山、9月12日には龍口法難があった鎌倉へと行ってまいりました。

また、9月8日に本覚寺檀家さんの葬儀が山形でありました。一度は行ってみたいと思っていた本覚寺開山・加藤雲洞上人が出家・得度した山形県上山市妙正寺様へもお参りしました。

1.七面山敬慎院

御首題帳を拝受した年月日から推測すると、この御首題帳を作成してから最初に七面山にお参りした可能性が高そうです。13丁の肝心坊、23丁の中適坊、36丁目の晴雲坊はハンコのみですが、七面山敬慎院には大正2年5月14日に登詣したことが記されています。

七面山敬慎院御首題
七面山敬慎院御首題(大正2年5月14日)
七面山敬慎院御首題(令和8年9月2日)

七面山にはここ10年程毎年参拝していますが、その時にはお寺の七面様も一緒にお連れし、敬慎院にて勧請してもらっています。今回お経をあげていただいた山務員の方より、「この七面様を開眼された別当さんのお名前が書かれていますが、ちょうど朝本堂を掃除していてこの別当様のお名前が書かれた仏具を磨いていたところです」とのお話が。さらにこの別当様のことを調べていただき、第95代・智見院日諦上人(武井坊)でした。当時の武井坊住職である日諦上人と海徳寺伊藤ちせ法尼とが何らかの繋がりがあったのでしょう。

七面山敬慎院別当
七面山敬慎院別当
七面様
七面様

2.山形県上山市妙正寺

大正4年8月31日 加藤錬明上人得度式(山形上山妙正寺)
山形県上山市妙正寺
(大正4年8月31日 加藤錬明上人得度式)
山形県上山市妙正寺
山形県上山市妙正寺
(令和8年9月9日)

令和8年9月9日に上山市妙正寺様にお参りすることができました。

偶然にもご住職さんにお話をお聴きする機会を頂戴しました。これまで師父からは、雲洞上人は麻布大長寺小野上人を師匠としていたという話だったので、なぜ上山の写真があったのか長年疑問に思っていました。

すると現住職さんの話では、昔小野上人はこの妙正寺の住職をしていた。その時にお爺さんはここで得度したのだろうと。その後、小野上人はお弟子さんとともに東京に行ったそうです。当時は住職がお寺を転々とすることがあり、きっとそのような時代背景があったのではと。

妙正寺の本堂も建替えし、またこの写真に映っている方々は全くわからないが、お寺の山号額は当時のままだそうです。

3.鎌倉本覚寺

東身延・本覚寺御首題(昭和6年6月19日)
東身延・本覚寺御首題(昭和6年6月19日)
東身延本覚寺御首題
東身延・本覚寺御首題(令和8年9月12日)

当山本覚寺と同じ寺号ですが、こちらは東身延と呼ばれる本山本覚寺の御首題です。今回、山務員さんの計らいで本堂も案内していただき、またその縁起なども懇切丁寧に説明していただけました。通常のえびすは、「恵比寿」と漢字3文字だが、こちらは「夷」と一文字で表記されるとのこと。その理由を説明してもらっていたのですが、あれ、忘れてしまいました。

鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺
鎌倉本覚寺

4.比企谷妙本寺

比企谷妙本寺御首題(大正15年7月24日)
比企谷妙本寺御首題(大正15年7月24日)
比企谷妙本寺御首題(昭和6年6月19日)

龍口法難の9月12日に参拝したところ、祖師堂にて特別開帳をしておりました。ありがたいことに、祖師堂にて「壽像(じゅぞう)の祖師」と呼ばれる日蓮聖人木像を拝する機会を頂戴いたしました。

また、御首題をお願いしたところ、山務員の方がとても古い御首題帳と驚かれていました。そして、昭和6年当時のこの御首題に押されたハンコが今でもお寺にあるとの話もお聞きできました。

本山・妙本寺
比企谷妙本寺 二天門

5.常栄寺(ぼたもち寺)

常栄寺御首題(大正15年7月24日)
常栄寺御首題(大正15年7月24日)
常栄寺御首題(昭和6年6月19日)
常栄寺御首題(昭和6年6月19日)
ぼたもち寺(常栄寺)
ぼたもち寺(常栄寺)

ぼたもち寺といわれる常栄寺さんには、大正15年7月24日と昭和6年6月19日の2度の御首題がありました。今回大勢の僧侶の方より特別祈祷のお加持を頂戴いたしました。お参りした時間が遅く残念ながら御首題をいただくことを失念しておりました。

鎌倉在住の知人からの紹介で、今回の昼ごはんを常栄寺さん近くの「あやとり/角打なおらい」で食べました。築90年以上(だったかな?)の古い古民家(石川屋酒店)を改装したおしゃれなお店。今年の2月にオープンし、レトロな雰囲気でしたが、提供しているのはエスニック料理というギャップ有りのお店です。

カウンターでは食事を提供しており、もう片方では沢山のお酒がありました。本当は飲もうかなとも思いましたが、これからお寺をお参りする前だったので、今回は我慢しました。美味しくお昼を頂戴しました。

鎌倉 あやとり
鎌倉 あやとり/角打なおらい
プチ情報
ホームページを見ると、左から入ると「あやとり」という食事を提供するスペース。右から入ると「角打なおらい」というお酒を提供するスペースのようです。

6.龍口寺

龍口法難当日ということもあり、今回御首題はお願いしませんでした。屋台などが沢山でて人も大勢。活気あふれる境内でした。

龍口寺御首題(年代不明)
龍口寺御首題(年代不明だが大正15年頃?)
龍口寺御朱印(昭和6年6月19日)
龍口寺御朱印(昭和6年6月19日)
龍口寺

千葉県松戸市日蓮宗本覚寺副住職の加藤智章です。当ホームページを管理・運営しております。

関連記事

目次