本来の生き方
《身を養う》とは、経済や文化的な活動によって、人が生きていく上で必要な入れ物をつくる作業を指します。
《魂をたすける》とは心の営みのことで、入れ物に内容を注ぎ込み、充実させることです。
豊かなはずの現代社会に、漠然とした不安を感じるのは、この2つのバランスが崩れているからです。
今、私たちは《身を養う》ことに使うエネルギーに見合うだけの《魂をたすける》心の営みについて考えなくてはならない時を迎えています。
日蓮聖人ご遺文『千日尼御前御返事』
日蓮聖人の佐渡流罪中、千日尼は、夫の阿仏房とともに聖人の教えに入信し、その生活を夫婦で支えました。
この書は、千日尼からの供養の品へのお礼と、女性の悩みの質問に答えた長文のお手紙です。
女性の成仏を中心に説かれた書ですが、聖人自身の信仰のあり方や、仏教について詳しく示されています。男女を問わず、人のあるべき姿につて明らかにされた感動の書です。
弘安元年(1278)57歳