葬儀・葬式について
日蓮宗 松戸 本覚寺
はじめに
本覚寺では当山檀信徒に関わらず、ご依頼があれば葬儀の導師を務めさせて頂いております。また、葬儀に関するご相談も受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
葬儀の喪主を経験することは一生に何度もないことです。『何をどうしたら良いのかがわからない』という方が大半ではないでしょうか?
そのような方は、何かあった時にまず本覚寺にご相談下さい。ご要望等をお聞きした上で、葬儀社選びやその後の段取り等、葬儀全般に渡るサポートをさせていただきます。
以下に、葬儀の大まかな流れを記します。
葬儀の大まかな流れ
現在では病院でお亡くなりになる方がほとんどですので、ご遺体を病院からご自宅まで搬送する必要がございます。
お亡くなりになった時点で、既に葬儀社が決定している場合には、その葬儀社に連絡し、ご遺体を自宅まで搬送していただきます。
一方、葬儀社が未定の場合には、どの葬儀社にすべきか検討する必要がございます。しかし、慌ただしいなかにおいてじっくり葬儀社を検討することは困難です。そこで、対処的な方法として、”病院に出入りの葬儀社“に搬送かかる費用を聞いた上で、「ご遺体の搬送のみ」を依頼して下さい。
次いで、どこの葬儀社に依頼するかという葬儀社の選定を行う必要があります。
葬儀の具体的な進行や必要なものの手配等、葬儀全般にわたり葬儀社の方の協力が不可欠です。葬儀社によりその対応や費用は大きく異なりますから、どこの葬儀社に依頼するかという点は重要です。
葬儀社が決定しましたら、通夜・葬儀をいつ・どこで行うかを決めなければなりません。
通夜・葬儀の日時は極力御遺族の方のご意向に沿う方向にて調整させていただきますが、葬儀会場や火葬場との兼ね合いもございます。また、「友引」当日は火葬場が休みの為、葬儀を行うことができません。そのような点を考慮しつつ、ご遺族・本覚寺・葬儀社とご相談の上で、通夜・葬儀の日時を決定いたします。
可能であれば、ご自宅に枕経に伺います。
最近では枕経が省略される傾向にありますが、本覚寺では極力枕経にお伺いし、お経を読誦させていただいております。時間の目安は20〜30分程度となっております。なお、ご遺体が病院等から直接葬儀場に運ばれ、ご自宅に戻らない場合もございます。そのような場合であっても、葬儀場にお伺いし枕経を行いたいと考えております。
コロナ以降、枕経が難しい状況となっています。
お通夜開始の30分程前に会場にお伺いし、お通夜を執り行います。
本覚寺では、特別な理由が無い限り、お通夜は俗名でお送りし、葬儀の際にお戒名を授与しております。生前より本覚寺と親交がある場合には、故人の人柄を存じ上げている場合が多いのですが、その場合であっても故人の断片的な姿である可能性が高いです。そこで、お通夜当日に参列された方々から、故人の人柄・エピソード等をお聞きした上で、葬儀にてお戒名を授与いたします。
コロナ以降、通夜がなかったり、通夜振る舞いがないことが多くなったため、最近では通夜の前に電話にて事前に略歴をお聞きし、お通夜前に戒名を決めています。
葬儀開始の30分程前に会場にお伺いし、葬儀・告別式、(繰上げ)初七日を執り行います。
葬儀当日は、(繰上げ)初七日をいつ行うかによって、1.葬儀→火葬→拾骨→(繰上げ)初七日、2.葬儀→(繰上げ)初七日→火葬→拾骨の2つのパターンがございます。さらには、当日納骨する場合もございます。出きる限り喪主の方のご意向に沿う形にて調整させていただきます。
葬儀のお布施に関して
これまで「お布施はどのくらい包めばよろしいですか?」というご質問が最も多く、その質問の多さから、確かにお布施の目安というのはわかりにくいという点は僧侶としても感じております。
では葬儀のお布施には目安がないかといえばそうではありません。戒名によってある程度異なり、近隣寺院の僧侶の方々にご相談しても、おおよそ共通しているというのが実情です。なかには、この戒名の場合だと「◯◯万円」というようにホームページ上に明記している近隣寺院もあり、本覚寺でもこのホームページ上に葬儀のお布施の額を明示することも思案いたしました。
しかし、お布施を明示することで安心される方もおられる反面、お布施の額を明示することによる弊害もあるのではとも思います。以下に、その懸念すべき点を示します。
第1は、同じ金額であっても、”経済的に余裕のある方”と”そうでない方”とでは意味合いが異なる点です。
後者の方の立場にたってみますと、お布施の額を明示することで、逆にそれが足かせとなり、その金額は無理だから葬儀にお経を読んでもらわなくてもいいやと考える方もおられると思います。本覚寺では佛縁・ご縁を大切にしておりますので、ご依頼があればどのような方であっても葬儀の導師を務めさせて頂いております。お布施の額を敢えてこの場において明示しないのも、このような経済的事情に配慮してのことです。葬儀を行いたいがご事情があって悩まれている方は是非ご相談下さい。
第2は、葬儀の導師を選ぶ際の判断基準が、お布施の金額となってしまうという可能性がある点です。
かつては檀家制度が存在し、菩提寺と檀家という関係により葬儀で誰がお経をあげるか、すなわち導師が選ばれておりました。しかし、その檀家制度というものはほぼ希薄化し、菩提寺を持たない方がかなり多くなってきております。このような状況だからこそ、お寺・導師を選定する必要が生じ、以前の主流は葬儀社の紹介、現在ではインターネットを介した僧侶の斡旋業者が加わっております。その際に、お寺・導師の選定基準の1つとしてお布施の額があげられ、あそこに掲載されていたお布施の額はこちらよりも安いから、では安い方にお願いしようということとなりつつあります。端的には、家電製品を選ぶが如くお寺も選ばれつつあります。「安かろう悪かろう」というものではありませんが、お布施の金額を明示することで、数字ばかりが先行してしまうことを憂慮しております。
以上のような理由から、葬儀のお布施の額を明示しておりません。しかし、ホームページ上に公表していないだけであり、お布施の金額を直接を聞かれれば、平均的な額をお答えするようにしております。そして、お包みいただいたものをそのままお布施としてお寺に納めさせて頂いております。