平成30年9月 本覚寺寺報

異体同心事

本覚寺寺報

熱原(静岡県富士市)の農民たちが領主の弾圧と対決するさなか、聖人は門弟一同に今こそ固い信仰の結束を促されたお手紙といわれています。

日蓮聖人の高弟六老僧の一人、日興上人の導きにより法華経の熱烈な信徒になった農民たちが幕府から加えられた弾圧を熱原法難といいます。

その結果、二十数名の農民が捉えられ、内、三人は処刑されました。

しかし、一同は退転することなく、むしろこの法難を契機に駿河地方に法華経の信仰が弘まったと伝えられています。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

夏恒例の全国高校野球選手権大会が今年は百回目の記念大会を迎え、白熱した試合が連日繰り広げられました。遠い昔ではありますが、自身も白球を追いかける日々を過ごしていました。かつての強肩(自称)も、今では四十肩。全く投げることができません。高校野球の選手達のひたむきな姿に、昔の幻想を重ねあわせつつ、劇的な試合展開に感動する日々でした。

そのなかでも、特に秋田県代表の金足農業の試合には、心を動かされるものがありました。三回戦での横浜高校戦では、これまで高校生活でホームランを一本も打ったことがない選手が、逆転三ランホームランを放ちました。さらに、準々決勝の近江高校戦では、二ランスクイズで逆転サヨナラ勝ちをする等、土壇場での大逆転はまるで漫画を実写にしたような試合でした。

金足農業が注目を浴びた一つの理由として、地元の選手のみで結成された公立高校であることがあげられます。近年、都道府県の枠を超えて進学する「野球留学」で選手を集める私立高校が甲子園の常連校となっている中で、金足農業は個々の戦力の劣る公立高校。九人の選手が一致団結する姿は、まさに今月の御遺文に符号いたします。

そのようなことから、今月の御遺文として上記『異体同心事』の一節を引用いたしました。

(京都大学硬式野球部元副主将・加藤智章)

平成30年9月 本覚寺寺報

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