はじめに

今年もお盆の季節がやってまいりました。今年の1月30日に、本覚寺寺庭婦人である温光院日陽法尼(加藤陽光)が亡くなり、寺族にとっては例年とは異なるお盆を迎えることとなります。お盆は、お釈迦様の十大弟子の一人である目連尊者に由来いたします。

また、これまでもお盆の時期となりますと、初めてお盆を迎える方々から「お盆の飾り(精霊棚)はどうしたら良いの?」というご質問を数多く頂きました。各御家庭により仏壇の大きさや間取り等が大きく異なる為、その回答に苦慮しておりました。しかし、「論より証拠」と思い、昨年の棚経の際に、何軒かの檀家さんのご協力を賜り、精霊棚の参考例を写真として掲載いたしましたので、是非ご覧下さい。

お盆の由来

お釈迦さまの弟子で神通力第一といわれた目連尊者が、餓鬼道の世界に落ちて苦しむ母親を救うために、お釈迦さまに救いを求めたところ、7月15日に清らかな僧侶を集め、飲食を供えて供養するように教えられました。これによってお母さんは餓鬼道の苦しみから救われました。これがお盆の始まりだといわれています。また、お盆のことを「盂蘭盆(うらぼん)」ともいいますが、これは逆さにつるされた苦しみを意味します。

各御家庭では、精霊棚を設けて先祖の霊を迎え、お寺ではお施餓鬼の法要を行い、餓鬼道で苦しむ有縁無縁の精霊に食べ物を施して、ご供養いたします。

お盆を迎える準備

お盆は、7月13日から4日間ですが、月おくれとなる地方では、8月13日から16日までがお盆の期間です。本覚寺においても、東京の檀家さんは7月に、千葉の檀家さんは8月にお盆の棚経に伺っております。

13日の迎え盆では、盆ちょうちんや盆灯籠をともし、「おがら」を焚き、迎え火をたくことでご先祖の霊をお迎えします。お盆中は、家庭にある仏壇の前には「精霊棚」といわれる特別な棚を設けます。この棚にご先祖の位牌や盆花や野菜、果物などのお供え物を並べ、すべての精霊を迎えておまつりします。そして16日の送り盆に送り火を焚き、ご先祖の霊を送ります。

大切なことは、ご先祖をお迎えする私たち自身が安らかな心でご供養することです。日頃より仏道修行に励み、仏さまの心でご先祖をお迎えできるように心がけましょう。

精霊棚の飾り方

この時期に一番多い質問である精霊棚の飾り方についてご説明いたします。但し、各御家庭の住宅事情により飾り方は異なりますので、あくまでも参考として御覧下さい。

精霊棚飾り例


①キュウリの馬とナスの牛

キュウリの馬は、お亡くなりになった先祖の精霊が少しでも早く帰ってきて頂くために、他方、ナスの牛は、ゆっくり戻っていただくためにお供えします。


②ほおずきと笹竹

精霊の道案内となるよう、灯明の代わりにほおずきを吊るします。笹竹に張られた縄から内は、この中に精霊が来られるという結界を表します。なお、もともと農家であった方の精霊棚には笹竹を飾られていることが多いですが、マンション等にお住まいの方は、仏壇の上部にほおずきのみを飾っていることが多いようです。


③水の子・ミソハギ

キュウリやナスを賽の目(四角形)に切って蓮の葉の上に盛る「水の子」は、餓鬼に対する施食の意味があります。また、水を入れた器に「ミソハギ」を添えておくのは、灑水(しゃすい)供養の為です。これは煩悩を鎮める為だといわれています。


④真菰(まこも)

精霊棚には荒筵(あらむしろ)や真菰(まこも)などのゴザの様な敷物を敷きます。


精霊棚の参考例

本覚寺お盆精霊棚飾り例

鈴木啓太郎家新盆飾り

古島和男家精霊棚

精霊棚の参考例を上記に掲載いたしました。

亡くなってから初めて迎えるお盆のことを新盆(しんぼん・にいぼん)と呼びます。新盆の際には、玄関または軒先に新盆用の白い提灯を飾ります。

現在ではあまり見ることはなくなりましたが、かつては近隣の方々が協力して新盆の方の玄関先に新盆用の飾りを設置しておりました。松丸勘十様の御好意により、かつての新盆飾りの写真を下記に掲載しましたので宜しければ御覧ください。

なお、上記の写真に掲載されている提灯は、新盆提灯ではなく例年飾る盆提灯です。かつては親戚の方々が新盆供養として新盆の方に盆提灯を寄進していましたが、現在では現金でのやりとりが一般的であり、精霊棚前の提灯は一対または一基のみの例が多く見受けられます。