平成29年9月17日 事務日誌

法事・葬儀

当初は本覚寺の法事が入っていたのですが、海徳寺の総代さんがお亡くなりになり、その葬儀があるため、本日は海徳寺住職としての法務です。

午前中に海徳寺が管理している鷺沼中央墓苑にて法事が1件。その後、海徳寺の本堂にて総代さんの葬儀です。

7:00

海徳寺本堂において朝勤です。今日の日蓮聖人の御妙判は『身延山御書』でした。

誠に身延山の栖は、ちはやぶる神も惠を垂れ、天下りましますらん。心なきしづの男、しづの女までも心を留めぬべし。哀れを催す秋の暮れには草の庵に露深く檐に集多く蜘蛛の糸玉を連き、峯の紅葉いつしか色深うして断々に傳う懸樋の水に影を移せば、名にしおう龍田河の水上もかくやと疑はれぬ。又後ろには峨々たる深山聳えて梢に一乗の果を結び、下枝に鳴く蝉の音滋く前には湯々たる流水湛えて實相真如の月浮かび、無明深重の闇晴れて法性の空に雲なし。かかる砌なれば庵の内には晝は終日に一乗妙典の御法を論談し夜は竟夜要文誦持の聲のみす。傳え聞く釈尊の住み給いけん鷲峯を我が朝此の砌に移し置きぬ。霧立ち嵐烈しき折々も山に入りて薪をこり露深き草を分けて深沢に下りて芹をつみ、山河の流れもはやき嚴瀬にい菜をすすぎ袂濡れて干しわぶる思いは、昔人丸が詠じける和歌の浦に藻汐垂れつつ世を渡る海士もかくやとぞ思い遣る。つくづくと浮身の有様を案ずるに佛の法を求め給いしに異ならず。

日蓮聖人御遺文『身延山御書』

8:00

海徳寺の掃除です。昨日のお通夜にて大勢の方が参列されたので、本堂やトイレ等の掃除を行いました。葬儀の開式直前ですと人の出入りがあるので、誰もいない朝方に掃除することで自身の気持ちも整理されます。

また、昨日から故人のスライドショーの作成に着手していました。海徳寺に残された写真を整理し、故人が写っている写真をスマートフォンにて取り込みました。

葬儀が始まる前の待合の時間に親戚の方々に披露できるようモニターのチェックも行いました。

10:00

鷺沼中央墓苑にて13回忌法要です。

当初は10時と11時の二つの法要が入っていたのですが、後者は台風が接近しているということで朝方延期の連絡がありました。

11時より海徳寺本堂にて葬儀が入っていたので、この2つの法事が山務員の方にお願いするつもりでした。しかし、11時の法事が延期となったので、10時の法事に伺いました。

墓石簿を見ると本籍地が松戸となっており、法要後にお話すると、上司が北松戸に住んでいると。マルエツの裏のマンションで住所は上本郷ですという話になりました。これも仏縁なのかもしれません。本覚寺の話をして、きっとマンション前の細い道をそのまま進んでいくと実家の本覚寺に繋がるのではと、そんな話もいたしました。

お聞きすると、前回の法事は叔父である海徳寺の先代や、現在の山務員の方がこれまでおこなってきたようです。法要開始時点で、「あれ、いつものお坊さんと違うな?」のような表情に見えたのですが、この時のお話で、先代や山務員の方との関係を説明し、安心されたようでした。

もしも台風が来ていなければ導師をしていない法事であったことを考えると、様々な巡り合わせで今回お経を読ませて頂いたのだと海徳寺に戻る途中に感じておりました。

11:00

海徳寺本堂にて葬儀です。今回は総勢4名の僧侶による葬儀でした。これだけの僧侶をお呼びすることはなかなかないですし、日曜日で法事が重なる僧侶としては繁忙期に関わらず出仕を快諾していただいた仲間に感謝です。

通常は式中の初七日にて簡略化してしまうところを、今回は敢えて戻りの初七日にいたしました。何事も省略する傾向にある昨今。初七日とは何なのか等の意味合いも説明しつつ、滞りなく葬儀・繰り上げ初七日を行うことができました。

気がつけば夕方。住職としてやれることを最大限試みました。

日蓮宗 松戸 本覚寺